PM memorandum

Product Managementにまつわる記事をポストします。twitter: @kyosu_ke

ものづくりのプロトコルの作り方と大切にしている29の価値観

これはなにか

プロダクトを作るにあたって私が大切にしている29個の価値観を列挙したものだ。

経験上、チーム内でものづくりの前提となる価値観が揃っていると無駄な議論が減り、物事が進みやすい。 私は「ものづくりのプロトコルを合わせる」という表現を使うが、これが合っていると、ものづくりが非常にスムースになる。

この記事ではどうやって、この「ものづくりのプロトコル」の作り方と、事例として私が大切にしている価値観を、自分用のメモがてら書き出した。

ものづくりのプロトコルの作り方

価値観の抽出の仕方

自分が大切に思う価値観を抽出する前提条件として、下記の目線で書き出している。

  • 自分の中で当たり前となっているものもすべて書き出す
  • プロダクトの定義は、プロダクト≒サービスとなるような広義の意味とする
  • プロダクトそのものでなくても、プロダクトに関係する領域であれば、広く書き出す
  • チームや組織のあり方は扱わない

ブラックボックスになっている価値観を可視化し、判断基準をあわせることが目的なので、言うまでもないように思えることのほうが、むしろ大切である。

また、組織論を含めると「プロダクトの意思決定の基準となる価値観」からズレてしまうため、扱わない。

どう決めるかよりも、決定の基準を揃え、スムースなプロダクトづくりを行うための「value」を揃えることが重要である。

※行動規範・判断基軸になるという意味では、組織におけるvalueの位置付けに相似する

すり合わせ&プロトコル

チームメンバー各自の大切にしている価値観を書き出し、すり合わせを行う。

人数規模によっては、中心人物の価値観をベースに、メンバーの声を聞きながら加筆修正を加えていく形でもよいだろう。

ゼロから立ち上げ、これからチームメンバーを集めるフェーズの場合は、先にチームで大切にしたい価値観を定義しておくことで、ミスマッチが防ぎやすくなるだろう。

プロダクト作りで大切にしている29の価値観

最後に事例として、私が大切にしている29の価値観をあげる。一度ですべて書きあげられるものでもないと思うので、今後メンテナンスしていきたい。

粒度やスタイルなど、作成の事例として参考になれば幸いである。

ユーザーファースト

  • 01. ユーザーにメリットのないアクションを取らせない
  • 02. マーケティング活動もユーザーメリット有りきで考える
  • 03. 運営・開発の都合をユーザーに押し付けない
  • 04. ユーザーに考えさせない
  • 05. ユーザーが受け身でも完結できるようにする
  • 06. とにかくシンプルに、わかりやすく直感的に
  • 07. 論理的な正しさ < ユーザーの感情面での正しさ
  • 08. ユーザーの期待値をコントロールし、ユーザーの期待を裏切らない
  • 09. 規約やルールで縛らず、自然とそうしたくなる仕組みを
  • 10. ユーザーに会いにいく

分析や狙いどころの考え方

  • 11. 穴の空いたバケツに水を入れない
  • 12. すべては検証
  • 13. 分析は意思決定を行うためにある
  • 14. 主観と客観を分離して考える
  • 15. ファクトの上で議論する
  • 16. 相関で短絡せずに因果をさぐる
  • 17. データで証明された命題の成立理由を言語化する
  • 18. Vanity Metrics < Actionable Metrics
  • 19. Squeeze Toyの概念: ひとつずつフォーカスする

施策の考え方

  • 20. オペレーションありきの成立は成立ではない、仕組み化する
  • 21. オペレーションは尊いが、オペレーションに逃げるのは悪
  • 22. 小さく検証してから仕組み化する
  • 23. すべての方針や仕様に狙いを持つ
  • 24. ソリューションを考えるのはユーザーの仕事ではない
  • 25. 成功するか学習するか
  • 26. まず最速で価値提供して、プロダクトの価値を感じてもらう
  • 27. 最小単位でリリースして、とにかく届けてフィードバックを得る
  • 28. 体験としての早いは正義
  • 29. 仕様のひとつひとつに優先度をつけ、いつでも切れるようにする

まとめ

ステークホルダーの多いプロダクトづくりでは、前提の価値観が揃わないことによる無駄なコミュニケーションや議論が、プロダクトの速度を落としていく。

この枠組を利用して、意思決定の前提となる価値観を可視化し、すばやくユーザーに価値を提供していきたい。